矢ノ原湿原

概要

矢ノ原湿原(やのはらしつげん)は、昭和48年12月に村の天然記念物に指定、昭和51年6月に福島県の自然環境保全地域に指定されました。

標高は660m前後で、高層・低層の2つの湿原が見られます。およそ8万年前に形成されたといわれ、日本で2番目に古い湿原(※)で、周辺部は2次林のコナラミズナラ群落域によって形成されています。(※日本で一番古い湿原は、10万年以上前にできたといわれる長野県の「逆谷地さかさやち湿原」です)

保全地区は、41.26haと比較的狭いですが、約350種の多彩な植物や野鳥、昆虫の宝庫で、地下水の湧出が豊富であることが特徴です。主な植生は、ハンノキ、イヌツゲなどの低木、ミズバショウ、ヌマガヤ、ミズゴケ、モウセンゴケ、トキソウ、アサヒラン、ミミカキグサ、オオイヌノハナヒゲなどの高層植物です。

また、矢ノ原沼には、ヒツジグサ、ミツガシワ、ヒルムシロなどが水面を被い、水中には食虫植物のタヌキモが浮遊して生育しています。野生動物としては、カルガモ、カイツブリ、ヒクイナ、シギ、コサギなどの鳥類、ハッチョウトンボなどの昆虫類が生育しています。

パンフレット
矢ノ原湿原のパンフレットが☞こちら[PDF]からダウンロードいただけます。

動画で見る矢ノ原湿原

春の矢ノ原湿原
矢ノ原湿原のワタスゲ
矢ノ原湿原のご紹介

見どころ

3月下旬から4月上旬ごろに雪解けを迎えます。
4月下旬から5月はじめごろにミズバショウの花が見られます。
例年、5月上旬ごろから新緑の芽吹きが始まります。
5月中旬には、水面にミツガシワの花が咲きます。
6月に入ると、木道付近でワタスゲやレンゲツツジが見られます。
6月ごろから9月にかけては、水面に白い小さなヒツジグサの花が咲きます。
夏には稀少なハッチョウトンボの姿も。
紅葉の見ごろは例年10月下旬ごろ(遅い年は11月初めまで)。一面オレンジ色に染まる見事な紅葉が楽しめます。

代官清水と源兵衛清水

湿原のほとりには、「代官清水」と「源兵衛清水」と呼ばれるわき水があります。
特に「代官清水」は、村外からも汲みに来る人が絶えない名水です。
※生水ですので、飲用は自己責任でお願いいたします。(源兵衛清水は飲用としてはおすすめできません)

清水について、詳しくは癒しの湧き水めぐりのページをご覧ください。

通路と所要時間

遊歩道は一周約40分程度です。
村道沿い(図の太線)は舗装されています。
それ以外はところどころぬかるむことがありますので、汚れてもよいトレッキングシューズなどをお勧めいたします。

アクセス・施設案内

所在地
昭和村大芦(駐車場は昭和村下中津川)※番地なし
(標高660m前後)

カーナビでは昭和村公民館(電話0241-57-2114)を目的地としてセットすると便利です。
公民館まで来ましたら、すぐそばの信号から村道に入って、道なりに坂道を登ってください。




マップコード®
510 823 131*48
what3words®
///やってくる。けつろ。ぐるり
駐車場
無料、普通車10台、中型バス
※大型バスは昭和小学校側(国道400号線側)からのみ通行可能ですが、道路が狭いためすれ違いが困難です。ご注意ください。
トイレ
あり(2024年は11月17日より冬季閉鎖中)
アクセス
  • 道の駅からむし織の里しょうわから車で約5.5km(※積雪時は通行不可、2024年は3月29日に冬期通行止めが解除されました)
  • からむんバス 停留所番号「下中しもなか31」矢ノ原駐車場
注意事項
キャンプ・たき火・動植物の採取は禁止されています。

花の見ごろ

その年の気候によって前後しますので、目安です。

  • ミズバショウ:4月下旬ごろ
  • ミツガシワ:5月中旬ごろ
  • レンゲツツジ:6月中旬ごろ
  • ワタスゲ:6月中旬ごろ
  • ヒツジグサ:6月~9月
  • 紅葉のピーク:10月下旬

ガイド

「矢ノ原湿原案内の会」にてガイドを受け付けています。
1週間前までに電話で連絡の上、FAXでお申し込みください。団体は7~8名に対してガイド1名が基本です。
詳しくは以下の電話番号に直接お問い合わせください。(昭和村観光協会ではガイドの取り次ぎは行っておりません)
矢ノ原湿原案内の会:電話・FAX:0241-57-2180